BOOK(ヒロアカ)
□Vol.1 展開は早めで
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いつの間にか、知らない街に居た
前の何を覚えているかと言われれば、自分の血が飛び散って真っ赤な気持ち悪い光景が目の前に広がったこと
多分、死んだんだと思う。事故…だったような。気を失うまでの時間が長くて…いや、死ぬまでの時間が長くてとても痛かったのを覚えている
だが、今は血も出ていなければ怪我もない。事故のあった場所じゃないし、意味不明な紙を持って立っている
まあ、まだやりたい事あったし、若くして死ぬとかクソとか思ってたけど、何が何だか分からないが…生き返らせてくれてありがとう
この紙には「生き返るには…」とかあるが、取り敢えず、今……私生きてる!!!
だけど!
何で…ここなのかな?死んだらトリップだなんて妄想した事はありましたよ、はい。でもな、現実に起こって欲しかった訳じゃないんだ
『……』
目の前を通った動物顔の人や、手から水やら花やらピエロもびっくり人間たちをしらけた目で見る
個性だの、ナンバーワンヒーローだの
詰んだじゃないか
もう一度言うしかない
『助けて…ヒーロー…』
「ど、どうかしましたか……?」
項垂れていた私に声をかけた人物が居た。なんて良い人何だと思い顔を上げると、緑色のもっさもさ頭、ソバカス、大きな目の…主人公様が立っていた
この紙の内容を信じるしかなくなって思わず絶句してしまう
「どうした、緑谷少年」
「オールマっ、あ、……えっと!こ、この人困ってたみたいだから!」
聞こえていたぞ、緑谷少年
緑谷の後ろからトゥルーフォームのオールマイトが現れた
「何かお困り事かい、少女」
『あ、ぁー……えっと…』
いきなりの事に何を言えばいいか分からず混乱していると、手元の紙の存在に気づいて、その2枚目を二人に突き出した
『みっ、道が分からないんです!』
「えーと、ここならすぐそこだ。良ければ案内しますよ?」
えっ
いいのか?私、こんな、主人公様に案内してもらっていいのか!?第二の「第一の人生を取り戻す」人生は初っ端から…しかも、オールマイトも一緒だなんて!
『い、いいんですか!?』
思わず声が裏返ったが、緑谷は気にしていない様子で笑顔で引き受けてくれた