妄想駄文

□その日、俺は…
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「あー、疲れた。体育の後の授業ってマジダルいよなー」
「あはは、お前体育張り切りすぎなんだよ。女子の前で良いカッコしようとして」
「っせぇ、そんなんじゃねーよ。って、うわ、次、日本史じゃん。俺あの先生苦手なんだよなー、宿題忘れただけでネチネチ説教はじまるし」
「それは、宿題連続で忘れるからだろー。って、おい、どこ行くんだよ?」
「………便所」

「もうすぐチャイムなるからウンコする時間はねーぞー」と笑いながら言う友人の頭を叩き、教室から離れた場所にあるトイレに向かう。
正直、小便器で隣に並ばれるのが嫌なため、人が少ないトイレに行くようにしている。
連れションなんて絶対しない。
用を足し終えて戻ろうとすれば、チャイムが鳴ってしまった。
遅れて入ったら、きっとガミガミネチネチ怒られるのだろう。

「……サボろ」

来た道は戻らず、保健室を目指す。
別に陰キャではないが、よく保健室に通っているから、先生とは顔なじみだ。
遊びに行き過ぎなのか、最近邪険にされがちだけれども。

「失礼しまーす」
「はーい、って、何しに来たのよ」
「なんすか、その俺が来ちゃダメみたいな…」
「サボりに来たのがバレバレよ。帰んな」

手をヒラヒラさせながら適当にあしらわれる。
本当に病人だったら、職務怠慢もいいところだ。
まぁ、サボりに来ただけだけれど。

「おれを見るなりそりゃ酷いぜセンセ」
「病人にも怪我人にも見えないからね」
「睡眠不足という立派な病気ですよ。というわけで、ベッド借ります」
「コラ」

上履きを脱ぎ捨てベッドに潜りこもうとしたところを、首根っこ掴まれるようにシャツを引っ張られた。

「ったく、本当に病人が来たら困るでしょうが」
「俺だって、いま妙に怠いんすよー。この体調じゃ、授業受けても意味ないっつーか」

振り返るような体制で、Wお願いWと手を合わせる。
一瞬真顔でジッと見られた後、解放された。

「そんなに怠いの?」
「うん、そんなに怠いの」

怠いと繰り返せば、「それなら…」と何やら薬を取り出してきた。
サラサラとした粉を水に溶かす。

「一応、これ飲んどきなさい。市販薬で気休めだけれども、怠さの原因は筋肉疲労もあるかもしれないから。あんた、廊下全力疾走したり、階段駆け上がったりと常に無駄に動いてるでしょ」
「無駄にって……ぁ、いや、はーい」

毎日、遅刻しそうで走っているだけだが、サボる口実に怠いと言った以上、言うことは聞いておこう。
少し甘めの、その薬を飲み干して布団に潜り込む。
体育の疲れもあってか、すぐに寝ついた俺が起きたのは、授業もHRも終わり掃除の放送が流れていた頃だった。

「んん……ふぁ…ん、もう掃……」

伸びをした時に感じたグシュッという湿った嫌な感触に固まる。

まさか

そんなはずがない

恐る恐る布団をめくってみれば、そこには股間部を中心に、色づいた染みが広がっていた。
制服のズボンもシャツまでも濡れている。
誰がどう見ても立派なオネショだ。

なんで

どうして


治りは遅かったけれど、小学校高学年には数えるほど、しても冬場だけだったし、中学に上がって以降、いつの間にかしなくなっていた。
もう何年も、ずっとしていなかったのに。

だって、高2だぞ?

嘘だ

ヤバイ

どうしよう

保健室のベッドでのおねしょという事態に頭が真っ白になる。

「やっと、起きた?」

起き上がった時のベッドが軋む音に、先生が近づいてくる。

もうこの事態はどうしようもないが、反射的に掛け布団に手を伸ばそうとして、逆にずり落ちてしまった。
同時にカーテンが開かれる。

「ッ!!」

慌てて染みの中心である股間部を両手で覆うが、当然、びしょ濡れの制服もお尻の下の大きな地図も隠しようがない。


「……え、あんた、おねしょしたの?」
「……ぁ…違っ…」
「ん、なんて?」
「…違く、ない、です……」
「はぁ。起きたかと思ってカーテン開けば、高校生男子のオネショ姿があるとはね。さっき、クラスの子から聞いたけど、体育で全然元気だったんでしょ?怠いって嘘ついてサボりに寝に来ておねしょって…小学生でもないわよ。ほら、全部脱ぎな。…………早く」
「ぁ、は、はいっ」

一瞬、目の前で脱ぐ事を躊躇った俺に有無を言わせぬオーラで指示する先生。
サボりに来たのも、おねしょしたのも全部事実のため、何も言えなくなり、半べそになりながら、カチャカチャとベルトを外して、ズボンを脱ぐ。

「あーあ、生意気にお洒落なパンツ履いてんのに、台無しじゃない。ほら、それも、シャツも、全部オシッコまみれなんだから」
「ッ……」

顔が熱い。視界が滲む。
先にシャツを脱ぎ、アンダーシャツにも染みていたため、それも脱がされる。

「で、あと一枚なんだけど」
「…………いや、恥ずかし…」
「なにいっちょまえに恥ずかしがってんのよ。オネショしちゃったんでしょ?保健室の布団こんなビショビショにして。下着が一番濡れてるに決まってるじゃない。それにすぐに身体拭かなきゃ痒くなっちゃうわよ。ほら、あのね保健医の前で恥ずかしがる必要なんてないじゃない。脱げないなら手伝ってあげようか」

羞恥心を煽る先生の言葉にしどろもどろになっていれば、突然パンツを掴まれ、ベットの上で座ったまま足まで引きずり降ろされる。
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