Re:αメンバーの日常

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03/03(Fri) 18:00
「休日が一番休めない」
らんまる!

鳥の囀りが聞こえる。日が眩しい。目を開けると、
肌にきりりとした冷たい空気が少し触れた心地がする。
寝台から降りてみると、フローリングの冷熱が足を突き刺す。
窓を開けると、冷たい風がうざったらしい挨拶をしてきた。まぁもう昼だが。
最近暖かいなと思っていたらいつもこれだ。三寒四温とはこの事だろう。
折角仕事がないと言うのに、ゆっくり寝れもしない。休日だというのに。
そそくさと布団に潜り込み、欠伸を一つ垂れてから、また目を瞑ろう。
とたたっと響く階段の音など気にもせず、寝てやろう。
そう惰眠に耽ろうとしたその時、扉が開く音がした。
「木下闇、…いい加減起きろ、月美たちが呼んでるぞ?…」
てっきり餓鬼どもかと思った。何でよりによってこの人なんだろうか。
吃驚したが、暫くは狸寝入りを決め込んでいた。まぁすぐバレた。
「狸寝入りは感心しないな」
困ったようにため息まじりな心地いい低音。だけど暖かい雰囲気。
この人は本当に掴めない人だ。別に嫌いじゃないけど。
しかし、自分は惰眠を貪りたい。彼に背を向ける形で、壁側に寝返りを打つ。
すると、余計に困ったように眉を下げた。これで諦めてくれればいいが。
すると、何も言わずに布団を引き剥がしてきた。呆れ笑いを浮かべつつ。
「もう昼だぞ。…、全く。」
そろそろ限界かと、起き上がり、彼に向き直った。
その様子を見て、あの人は溜め息をつく。
「…別に良いじゃないですか、…どうせ…
 暫くすれば彼奴諦めますし、……、休日なんですから」
そう言うと、駄目なもんは駄目だ、と無理やり動かされた。
急に体がひょいっと持ち上げられた感覚。お姫様抱っこってやつだ。
「ちょっ、…あんた何やってるんですかっ……」
全身が熱くなるのを感じる。ましてや、自分は寝間着だし、
何でこの人にこんなことされなきゃいけないのか。
自分が驚いたと分かると、彼は面白そうに笑った。
「本人が起きる気が無いんだから、こうするしかないだろう?」
本当、自分はこの人には敵わない気がする。想定外過ぎるのだ。
恥ずかしいのを何とか面には出さないように、せめて着替えたいと言うと、
彼はまた寝たら次は承知しないからな、とゆっくり自分を下ろした。
扉を閉めて、大きく自分は溜め息をついた。
あの人がいると、自分の臓器が持ちそうにない気がする。
次は、と言うことは、…まだ扉の前にいるのか。そう思うと余計恥ずかしい。
無駄なことは考えない方がいいと、着替えながら思った。
いつもの服に着替えて、扉を開ける。
あの人は、ちゃんと起きてきたな、と頭を撫でてきた。
子供じゃないですよ、と言ったら、
その歳はまだ子供だと冗談まじりに笑われた。そして、優しく、
「おはよう、旱」
本当、この人には敵わないな。

寒空の青が香る昼下がり、
惰眠を貪るのはやめた方がいいと、学習した。

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