星うさ
□ご主人様はアイドル‼中編
2ページ/6ページ
美「ねぇ星野君って彼女居るの?」
星「俺のファンが彼女かな♪」
「「「「「キャーー ♡ ♡ 」」」」」
う「何なのよ…;」
休み時間…星野の周りに人が集まる事は予想出来た。
トップアイドルだし、芸能人と親密になれる機会そうそうないよ・・?
ないけども,,何故自分の席なのに、退かされて、窓際で立たされなきゃならんのだ‼
近くの席の男子達も退かされ、教室の隅に追いやられている。
こんな生活が毎日続くなんて…憂鬱,,,
「月野さんは星野と話しないの?」
ボーーッと女子達が退くのを、待っていたうさぎに退かされ組の男子が声をかけてきた。
う「うん、別に話すこともないしね」
「普段あんなにイケメン、イケメン言ってたのに?!」
う「イケメンでも中身が最悪じゃ台無しよ;」
うさぎが笑いながら、自分以外の男と喋ってるのを、横目で見ていた星野は面白くなかった。
うさぎを自分に振り向かせる為に、無理矢理世話係にさせて、無理言ってこんな平凡な高校に転校してきたのに、これじゃ意味がない。
休み時間はファン達に邪魔され、うさぎと一言も喋れずに終わった。
今からは昼食タイム
勿論その時間も、星野と一緒にご飯を食べたい女子達が押し掛けた。
うさぎはお弁当を持ち、ファンから退かされる前にその場から離れようとする。
そうはさせまいと星野がうさぎの腕を掴んだ。
う「何よ?」
星「ちょっと来い!」
星野はうさぎを抱き抱え、ファンの群れから逃げ出した。
人一人抱き抱えてる割には星野の足は早く、ファンから簡単に逃れ、屋上へとやって来た。
うさぎを降ろし地べたに座る。
う「もう、何なのよ!ファンの子達に変な誤解されたらどーすんのよ!」
星「俺はおだんごとなら構わないけど」
俺の最高のキメ顔で、こんなセリフ言われて落ちない奴は居ないだろ?
流石のおだんごもドキッとしたはず‼
う「あんたは良くても、あたしは迷惑よ!」
顔を赤らめる訳でもなく、表情一つ変える事もなく、スパッと否定。
うさぎはため息をつきながら座り、お弁当を広げ食事を始める。
嘘だろ?
アイドルと二人っきりで普通弁当なんか食うか?
大体の女は飯が喉を通らないだろ?
今まで会って来た女とは明らかに違ううさぎを、どう扱っていいのか分からず頭を抱える。
う「何一人で唸ってんの?」
星「いや、なんかもうどうしたらいいか、わかんねぇ;」
う「あんたにも悩み事あんのね」
星「お前失礼だぞ!」
う「あんたがいつもあたしに、失礼な事言ってんだからお互い様よ」
うさぎは手を止める事なく、箸を進める。
俺ってそんな魅了ないのか?
それに、なーんか引っ掛かる。
他の女と違う所がまだあるような・・・
う「そういえば、あんたさぁ…」
星「それだ‼」
う「な、何よ;いきなり大声で;」
うさぎの言葉を聞いて分かった‼
他の女と違う所…それは,,,
星「おだんごは俺の事、1度も星野って呼んでない!」
う「え?;」
星「他の奴らは、星野君星野君言うのに、おだんごは俺の事『あんた』って呼んでんだよ!」
うさぎはう〜んと星野との会話を思い出す。
確かにあんた呼ばわりで、心の中でもこいつやあいつだったような,,
いや、待ってよ,,1度ぐらい、どっかで星野と呼んだ気がする。
う「・・・あっ!そうだ!」
星「なんだよ;」
う「いやぁ記憶辿ってて思い出した、そういえば、昨日助けてもらったお礼あんたに、言ってなかったなぁって」
星「また、あんたって言ってるし…」
いつもの強気な星野と思えない程、いじけている。
いじけ方が高校生に見えないんですが・・
う(どんよりするほど嫌なのね;)
う「そんなにあたしから名前呼んでもらいたいの?」
星「ばっバカ野郎!そそそんなんじゃねぇよ!世話係がご主人様を名前で呼ぶのは当たり前だろ!//////」
顔を赤らめて、あたふたしてる星野が笑しくてうさぎはクスクス笑う。
笑われて余計恥ずかしくなったのか、星野は外方を向いてしまった。
そんな姿も可笑しくてたまらない。
案外可愛い所もあるのね。
星「いつまで笑ってんだよ!////」
う「フフ、ごめんごめん(笑)」
星「悪いと思ってないだろ?(怒)」
う「まぁまぁ怒らない怒らない(笑)」
うさぎは食べ終わったお弁当箱を片し、星野の前にしゃがむ。
星「なんだよ?」
う「昨日は助けてくれてありがとね、せーや♪」
そう言い残し、うさぎは先に教室へ戻って行った。
一人残された星野の顔は、誰にも見せられないぐらい赤くなっている。
星「なんなんだよ;//////」
胸が熱い,,こんな気持ちになるのは初めてで、戸惑いを隠せない。
名前呼ばれただけで、なんでこんなドキドキしてんだ?
これじゃまるで、俺があいつに惚れてるみたいじゃねぇか。
星「,,かっこわりぃ////」