星うさ

□ご主人様はアイドル‼前編
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授業が終わり学校を出て、一人急ぐうさぎ。


今日は楽しみにしてる漫画の新刊発売日

続きが気になるうさぎは、足を休める事もなく本屋に向かう。

あの突き当たりを曲がったら行きつけの本屋。

うさぎは少しスピードを緩め、角を曲がり目的の本屋に入っていった。

新刊が並ぶ漫画の棚に行き、1番目立つ所にその漫画はあった。


う「やった‼残り1冊、あたしついてる♪」


その漫画を握りしめて会計を済ませ、ルンルンで本屋から出た時だった。

周りを気にせず、そのまま本屋から出たうさぎは、右から来ている人に気付かずぶつかってしまった。

「きゃっ‼」とうさぎは、踏ん張りが効かず転んでしまい、買ったばかりの漫画はぶつかった相手の足元に落ちる。


う「す、すみません;」


埃をはらいながら立ち上がり、ぶつかった相手に謝罪をするうさぎの目は一瞬でハートマークに変わる。

相手は自分と同い年ぐらいの男性。
黒髪の長髪を一つで纏めていて、スラッとした手足、サングラスをかけていてちゃんと顔は分からないが、日々イケメンを追いかけているうさぎには、その相手がイケメンだと分かった。


うさぎがその男に見とれていると、自分の足元に落ちている漫画をその男が拾い、徐にガサガサと袋を開け中身を取り出す。


う「あ、それあたしの…」

?「あなたに惚れてもいいですか?」

う(ドッキーン////)


その男が読み上げたのは、うさぎが買った漫画のタイトル。

読み上げた男は、うさぎの顔や体をジロジロなめ回す。


?「ふ〜ん」

う「あ、あの、何か?////」

?「55点ぐらいかなー」

う「は?」


男は一通りうさぎを観察し、そう言った。

一体何が55点?


?「お前スタイルは良いんだけど、胸も尻もペッチャンコ、顔は普通、髪の手入れは行き届いてるけど、おだんごがなぁ…俺に惚れるんなら、もう少し胸と尻成長させてから来いよ?おだんご(笑)」


言いたいことだけ言って、男はうさぎのおだんごをポンポンするとその場を去っていく。

唖然とし、一瞬固まったがすぐ再生。
そんな事言われて黙ってるうさぎではない‼
通り過ぎて行った男の腕をわしづかみし、引き止める。


う「ちょっと、あんた‼言っていい事と悪い事の区別も分かんないの?」


うさぎのお説教にかったるそうに答える男。


?「はぁ?別に本当の事言っただけだけど?」

う「(ムカッ)!あんたちょっと顔が良いからって失礼よ!」

?「!!…お前俺の事知ってて見とれてたんじゃないのか?」

う「なんであたしがあんたの事知らなきゃなんないのよ!?」


引っ越した同級生にこんな奴居ない。
近所にもこんな奴居ない。
そもそもあたしの身近にこんな失礼な奴居ない‼


だが男は知られてない事に愕然としている様子。

こいつは一体誰?


?「この俺様を知らないなんて、お前明治大正生まれか?;」

う「んな訳ないっしょ!!(怒)」


ほんとこいつ何なの?

イケメンってこんな自意識過剰な訳?


うさぎが男にイライラしていると、自分と同じ年ぐらいの女子二人組が顔を赤らめ、男に近づく。


「あの、星野くんですよね?///」

「私すっごいファンなんです!握手して下さい!///」


その二人組の女の子の言葉に、周りの人達が反応、みるみるうちに人が集り大混乱。
うさぎは揉みくちゃにされながら何とかその場を抜け出せた。


う「はぁはぁ、一体何なのよ;あいつ芸能人だった訳?;」


まだ文句を言いたかったが、人が集り過ぎてとてもそんな状況じゃなかった為、うさぎは大人しく家に帰ることにした。


う「あーー!!漫画がないー!;」


家に着き、部屋着に着替え、さぁ漫画を読もうとしたが、何処にもない。

きっとあの揉みくちゃにされた時、落としたんだ・・・

今から戻って探しに行っても、絶対ないだろう。

うさぎは結局漫画を諦め、1日を終えた。
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