夜うさ

□募る想い
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夜天くんと結ばれて3ヶ月が経った。
付き合ったからといって、デートをするとかは生憎夜天くんの仕事の都合上一回もなかった。まだ、付き合う前の方がどこかへ出かけることが、多かった気がする。だけど、これでわがままを言っては夜天くんを困らせることは容易に想像できてしまったので黙って携帯を握り締めた。

週に1回は必ずメールをくれる夜天くん。忙しいのか本当にギリギリ週一である。わがままをいってはいけないってわかっているけれど…やっぱりさみしいのは事実で。気が付けばあたしは夜天くんに寂しいと、メールを送ってしまった。それに気が付いたのは送信完了の画面で。しまったと思った時には時すでに遅し。
だけど、どこか期待していた。もしかしたら、夜天くんに会えたりしないかとか。でも逆に、不安でもあった。

ーー本当に自分はなんて物を送っているんだ。後悔ばかりが募る中、手の中の携帯が震えた。
それと同時に自分の体もビクリとはねる。恐る恐る画面を見ると相手は夜天くんだった。ドキドキと心臓がうるさい。なんて書いてあるのだろう。そう期待と不安を胸に秘めながらメールを開いた。

う「……っ」

彼のメールにはたった一言だけ、『ごめん』と書かれてあった。どういう意味?、と内心ざわつく。寂しい思いをさせて?構ってやれなくて?そんな自分の都合の良いことなのだろうか。もしかしたら、当分会えないとか、自分に飽きてしまったとか、重いと感じてしまった為に謝ったのか。どうすればいいのかわからず、携帯を握り締めたまま布団に潜り込んだ。
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