Short Novel
□ED後 ルーク編 3
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「ルークよ、ナタリア様に婚約を申し込むのだ」
・・・そんな唐突な言葉に俺は、はじめ返事ができなかった。そんな俺を見て父上が続けた。
「お前は死んだことになっていたからな、婚約は解消されてしまったのだ。だからもう一度・・・」
「お断りします」
俺は父上の言葉を頭で理解した直後には、自然と口が動いていた。
「・・・では、他に誰かいるのか?」
「・・・・・・」
俺は素直に頷けなかった。真っ先に浮かんだ人の顔は、最後に見た悲しそうな表情をしていたからだった。
「・・・だが私もこの一年で考えさせられた。・・・・ティアとなら考えてもよいが・・・」
「父上!!!」
今から二年以上前からは、想像もつかないことを父上は答えた。
「ただし、お前はファブレ家の跡取り。ティアはホドの生き残り。これがどういうことだか、分かるな?」
「言いたいことは分かります。でも、だからこそ、俺たちが掛け橋になってみせます!」
「・・・分かった。しかし忘れるな、ルーク。お前は次期侯爵なのだからな」