Short Novel
□プレゼント
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最新の音機関を買って宿に戻る最中、立ち止まっているティアを見つけた。
「あれ、ティアじゃないか?」
「え!?あ、が、ガイ!?ど、どうしたの!?」
声をかけられて始めてガイに気付いたティアは明らかに動揺を隠しきれていなかった。そのことに気付いたガイは、ティアがずっと真剣に見ていた方に目を向けた。
そこには色んなブレスレットが並んでいた。
「・・・これ、欲しいのか?」
なるべく相手の感情を煽らない様にガイは気を使って言った。前にも同じようなことがあったが(あの時はぬいぐるみだったが)、あの時にはティアが頑なな態度になってしまい、口封じまでさせられてしまったからだ。
しかしティアは俯いて少し黙っていたが、意を決したように顔を上げて話し始めた。
「ガイ・・・ルークは何を貰ったら喜ぶかしら?」
その一言を聞いて、ガイはティアがどうして悩んでいるのか分かった。
「べ、別に、いつもルークには助けてもらってるからその代わりにと思っただけよ!!」
ルークが聞いたら真に受けるんだろうな、とか、ティアはルークに渡す時にもこの言葉を言うんだろうな、とかガイは思いつつ、笑顔で答えた。