Short Novel
□ED後 アッシュ編
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「・・・それに、約束してたからな」
目の前にいる朱色の髪の持ち主が戻ってきたことに、ティアは今まで堪えていた涙がとめどもなく溢れたが、その流れを止めようとはせず、その帰ってきた男の方に歩み寄った。
ティアがその男にもう少しで寄りかかれそうだった時、男はティアの両肩を掴んで、歩みを途中で止めさせた。
「今のはレプリカからの言葉だ」
「え?」
その男はそう言った。
ティアは最初意味が分からなかった。しかし意味を理解すると自然と流れていた涙は止まった。
「・・アッシュ?」
その弱々しいティアの声を聞いたナタリアたちは驚いた。
「アッシュ!?」
ナタリアが駆け足でアッシュに近づく。
「・・どうして生きていますの?」
ナタリアは、アッシュが生きていた嬉しさより、どうしてアッシュが生きているのかという疑問の気持ちの方が強かった。
「俺にも分からない」
アッシュが首を横に振った。ナタリアはルークについて聞こうと思ったが、悪い予感がして訊ねられなかった。