Short Novel
□ED後 ルーク編 1
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「そろそろ、帰りましょう。夜の渓谷は危険です」
ジェイドがそう言い、皆その場を後にする。ティアも岩から降り、最後にもう一度だけホドの方を見た。
その時、見覚えのある人影が見えた。その瞬間、ティアは時間が止まったような気がした。ティアが止まっている間にも、その人影は徐々に大きくなっていった。
いつまでも動かないティアに不思議がった4人も、その人影の存在に気付く。
ティアの時間が動き出した時には、ティアは歩き出していた。
「どうして・・ここに?」
「ここからなら、ホドが見渡せる。それに・・・約束してたからな」
その言葉を聞いたティアの頬に涙が伝っていった。だがティアは涙を拭わず前から来た人影−ルークの元に歩み寄った。他の仲間も次々に歩き出すが、ジェイドだけその場に立ち尽くしていた。
ルークの元まで歩いたティアは、何も言わずルークに抱きついた。
「・・・ただいま、ティア」
ルークはティアを優しく抱きしめて、ティアの耳元で囁いた。
「・・・お帰り・・なさい、・・ルーク」
「おそーい!ルーク遅すぎだよ!」
「全くですわ、いつまで待たせる気ですの!?待ちくたびれましたわ!」