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□潜入セヨ!6
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 次の日、寮の前で待ち合わせて一緒に登校し、一緒に昼食をとった。放課後はばらばらになったが、一応電話をして他愛のない話をした。そうしたら翌日には二人は質問攻めにあった。
「その、付き合ってて…」頬を赤くし、恥ずかしそうに言う月森があまりに可愛らしくて、土浦は抱き締めたい衝動を拳を握って必死に堪えた。女らしさに磨きがかかりすぎている。
 女の集団の中で、例えばモテすぎるとか突出すると大変な目に遭うそうだが、もうこんなに可愛ければそれはそれでいいじゃないかと、だらけた思考が導く。月森に知られたらこってり絞られそうだ。
「うっわ、うわー!土浦の顔!きも!」
「ばっ、うっせぇ!」
土浦の顔も赤くなった。半分は嫉妬で、半分は慈しみで、クラスメイトは二人を生暖かい目で見た。そんな空気の中、応援しようと目を細めて七海は決意した。
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