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□潜入セヨ!6
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 月森と練習室に入る。月森は日に日にやつれているように見える。月森は渋ったが、土浦は一応出来事だからと吉羅に報告した。ふむ、と呟いてから吉羅が応える。
『体調には影響ないようだが、早急に手を打つべきだろう。土浦くんと付き合ったらどうだ?』
「は?」
『いいカモフラージュになるのではないかね?気心が知れているから、月森くんも気兼ねがないだろう』
「て、転校生同士でおかしくはないでしょうか?」
月森は慌てた。土浦は少し嬉しかった。
『出会いとは突然だよ。どんなきっかけがあってもおかしくはないものだ。女性の中にいるのは大変だろう、これ以上の負担は良くない』
正直な話、関係者と恋仲になった振りをして情報を引き出す方法もあるが、幼く、何より自分のお気に入りに知らない誰かが触れると考えたら、プライベートで消しにかかりそうで。土浦ならまだ許せる。
「はい、わかりました」
離れていた仲間が帰ってきたように感じて、土浦はにんまり笑った。
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