p11

□潜入セヨ!9
2ページ/5ページ

「ずいぶん上達したな」
「天音に通ってて下手になったら大問題だろ」
「確かにそうだな」
「何か合わせようぜ」
「ああ、構わない」
紅茶をテーブルに置くと、土浦もソファーに戻った。紅茶に口をつける。
「ん、うまい」
嬉しそうな口角に、月森の胸が暖かくなった。
「何を合わせるんだ?」
「ん、何にしようか。最近弾いた曲なんだ?」
ひどく穏やかに、二人だけの時間が流れていく。何て幸せなんだろうと、月森は顔をほころばせた。
 「っと、もうこんな時間か」
土浦が演奏の手を止める。寮の門限はないが、遅くなるのはまずいだろう。優良生徒でいた方がやり易い。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ