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□恋に成る4
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 それから火積は一日東金の練習に付き合わされた。回数を重ねるごとに良くなっているな、と感じた。東金が負けるなど、もはや火積には考えられなかった。
「どうだ?」
「ああ、あんたらしくて良い演奏だった」
「そうか」
火積の言葉に、東金はまるで子どものように笑う。火積は可愛いと思って、何か違うだろうと首をかしげた。
 今日も一緒に寝たいと引っ張られて、渋々同衾する。暑苦しい夜なのに引っ付かれて、火積はうなされた。

 火積とて練習しなければならない。
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