諧謔詩世界

□もし 僕が
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飲みかけの缶コーヒー
右手で弄ぶ君の
横顔が今も
閉じた瞼の中 蘇る

くだらない事
数えきれない程
言って 笑って
涙がでるくらい
夜中まで語り合った

あの頃僕は君が
このままずっとそこに
居るもんだと
何の根拠も無しに
頭のどっかで思ってた

もし
僕が君より
先に逝っていたなら
君は僕の為に
泣いてくれただろうか

もし
僕が将来
向こうで君に会ったとして
年老いた僕でも
気付いてくれるかい?

ありえないと思っていた
突然すぎる別れに
なりふりかまわずに泣いた
消えない横顔の記憶
忘れられたのなら 救われる?

やるせない程
無力すぎる自分を
無言で なじって
涙が止まらない
疲れて 眠りにつくまで

あの時僕が君に
代わって逝こうとしたら
何してんだ!?
と何の躊躇も無しに
君ならきっとそう怒ってた

もし
僕が君への
手紙を書いたなら
実は涙脆い
君は泣いただろうな

もし
僕が将来
向こうで君に会ったとして
年老いた僕でも
気付いてくれるかい?

年老いた僕でも
『兄』と呼ばせてくれるかい?

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