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□奪われなかったもの…
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目にしたのは風呂の真ん中でユーリがぐるぐると回っていた………というものだった。

こうやって見てみると確かにもう少しユーリを向こうに帰すのに配慮というのを与えてやってもいいのでは…と、思う。

(どれだけへなちょこでもユーリは魔王なのだしな…)

魔王の割には酷い扱いだ…。

ぼくは少しユーリに同情した。が、しかし…それとこれとは話が別。

まだユーリとの決着が先延ばしにッ………違った、ぼくのユーリが眞王の勝手で向こうに送られてしまう!!

そう考えると、どうしてもそれがぼくには゛ユーリを奪われる゛様に感じて……

ぼくは言葉では言い表せられない様な悔しさと焦りを感じた。



ユーリを取られるなんて冗談じゃない!!



゛ユーリ!! ゛



ぼくはまだ脱いでいない下半分の服をそのままに、ユーリの元へ駆けていった。

眞王勝てるとは思えない。彼は我々にとって絶対的な存在だ。

……でも、少しでも望みがあるのなら…
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