夢の外

□俺と鏡と翠の少年
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やっぱり時間も時間で(昼でも人なんか来ないけど)、部屋の中にはやたらと大きい布の被ったソレがぽつんと置いてあるだけだった。

ばさり、と布を外すと目の前に現れたのは…。

「久しぶりだね、おじさん。」

俺のムーニーおじさん。
1年生の頃に偶然見つけてから、偶に訪れては独り言を話して帰っている。どうやらこれは人の1番の幸せを映し出すらしい鏡な様で、昔アルノを連れて来たらおじさんじゃなくて沢山の動物に囲まれた自分が映ったらしい。
いつも最初からいるのはおじさんで、途中から、ぼんやりとだけ…

「フレッド…」
「呼んだ?」
「あぁ……んん"っ!?」
「よっ」

な、何でフレッドがここに。え、背後を取られても気付かなかった!ってか、見られた!?は、恥ずかし………。

「な、なんで…」
「いるのかって?」

俺は何度も頷き、東洋の国の赤い置物みたいにガクガクと首を揺らす事しか出来なかった。

「前校長先生に教えて貰ったんだ。アルドがたまーにここに来て鏡を見ては帰ってるって。いやー、俺達見抜かれちゃってるぜ。」
「そ、それはわかったけど…なんでいま、」
「これ!」
「ムーニー、パッドフット、プロングス、ワームテール…忍びの地図?」
「そそ。こーゆー風に、歩いてる人の足跡と名前が映し出されるんだ。偶々見てて、走って来た。」
「…………………。」
「って、アルド?どうした??アルドー??」
「っ!!ああ、すまない、考え事してて。っていうか、凄いなこれ。」

この最初のムーニーって…。というかパッドフットにロングス、ワームテールもみんな…。

「だろー??フィルチから盗んだ!」
「あらダーリンまたそんな事して……ん?誰か、来る…?ハリー……ポッター………?」
「こっちに向かってるな。まずい、隠れようっ。」

急いで2人で鏡にまた布を被せて鏡の裏に座り込む。



「父さん…母さん…」

部屋に入って来て俺と同じ様に鏡を見ているハリーらしき人。聞いている限り初めて来るわけでもなさそうだ。

「おやおや、こんな時間に…」

校長来た。やば、気付かれるよな…流石に。
ちら、と鏡の隙間から覗くと校長と目があった。内心めっちゃ焦りつつアイコンタクトをして黙って貰う様に頼む。お、ウィンク返してくれた。よかった……。
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