夢の外

□ある1日の話
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アルドside




んんん…ふゎぁー。
よく寝たなぁ。もう11時かぁ…。なんかフレッドと合同授業だった気もするけど、授業を受けるのに恋人なんて関係ないよね。勿論俺の可愛い弟君も。

「あら、御機嫌ようアルド。気分はどうかしら?」
「御機嫌ようウォーレン嬢。なんだかとても調子がいいよ。気分も上々かな。」
「あらやだ。マートルって呼んでっていつも言ってるでしょ。」
「おや失礼、マートル嬢。ところで、今日はトイレやお風呂に居なくていいのかい?」
「私だってたまには違う所に居たくなるわ。それに今は授業中だしね。」
「おやおやマートル嬢は暇をしていらっしゃる。どうです、一杯お茶でも付き合って頂けませんか?」
「いいわよ。」

杖を制服の中から出して一振り。そうすると可愛らしいデザインのティーセットが目の前に。

「フィルチに見つかったら怒られてしまうね。」
「誰も守ってやしない校則なんて無いのと同じだわ。いい香りね。」
「今日は気分を変えてカモミールにしてみたんだ。お気に召したかな。」

うん。おいしい。付け合わせのクッキーもひとつ。サクッとした甘いクッキーが最高。
でも僕はやっぱりチョコレートボンボンが一番。あの苦いブランデーがいいんだよねぇ。

「あら、午前の授業が終わったみたいね。」
「そうだねぇ。」
「彼、今日も迎えに来るんでしょう?」
「来るよ、絶対。」
「あらぁ、自信満々なのね。」
「勿論。だってほら…」
「「足音。」」

いま食堂と反対方向のここに来るやつなんてあいつしかいない。
ああ、足音がどんどん近づいて来る。

嗚呼、我が愛しの…。





「アルドっ!」
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