夢の外

□ある1日の話
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フレッドside



今日はグリフィンドールとレイブンクローの合同授業。
頭の悪い奴もまちまちいるグリフィンドールを頭の固いレイブンクロー生は少し見下してるけど、俺達の中にも優等生はいる訳で。
アンジェリーナとかの気が強い優等生がいると楽だな。あいつらの小言に全て言い返してくれる。

でも大人しく座ってるだけの俺達じゃない。ジョージとこっそり話し合って教室を出る時に薬草を入れてやることになった。
律儀なレイブンクロー生は授業の時間が終わったら即教室から飛び出す俺達とは違ってきちんと薬が完成するまで教室にいるからな。


それはそうと、アルドがいない。アルドはレイブンクロー生だからここに居てもおかしくない筈なのに。まあ、アルドの事だからきっとまた廊下で寝ているんだろうな。
しょうがない、終わったら迎えにいくか。俺の大事な恋人は、気づかないうちに2日も何も食っていなかった時もあるくらいのうっかりさんだからな。

「ねぇ、フレッド。」
「お?なんだ、アルノ?」
アルノ。アルノ・キャンデロロ。アルドの双子の弟。なんとこの学年には双子が2組も!アルノはグリフィンドール生だけどあいつはレイブンクロー。最初に会った時はびっくりしたな。俺達みたいに瓜二つなんだ。
ただ、違いがあるとすれば眼の色。綺麗な金髪に碧色の目をしたのがアルノで、翠がアルド。
他にも性格は全然違うけど、初心者からしてわかる違いはそこ。あぁ、ちょっとだけ寝癖がついてるのもアルド。
「アルドいないね。せっかくの合同授業なのに。」
「ま、あいつならきっと今頃嘆きのマートル嬢と楽しくお茶会でもしてるだろ。なぁ、フレッド?」
「言うじゃねえか、相棒。」

「そこ、煩いですよ。」

うっへぇ、怖い怖い。でもまぁ、そろそろ授業が終わる時間だな。ほら、グリフィンドール生はちらほら帰る準備をしている。別に不真面目な訳じゃないけど、昼休みに授業を続けたくはないだろう?


ジョージと立ち上がりながらアイコンタクトをとる。
「じゃあ、先に食堂いってて。」
「わかった、相棒。席の確保は任せろ。」
「アルドによろしくねー。」
「おうっ。」

小走りに教室を出ていく時にサッと薬草をレイブンクローの鍋に入れる。さあ急げ急げ。そろそろ後ろで…

ぼんっ

ほらな。いたずら成功!!
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