流星
□僕の気持ち
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なんとなく眠れなかったあたしは、珍しく散歩に出た。花畑の広がる湖。あたしの好きな場所。気持ちが落ち着く場所。
そこで見てしまった。誰もいるはずのない夜の湖でレンは泣いていた。暗く冷たい空気のせいか、目に見えない何かがレンを覆っているように感じたせいか、あたしは声をかけることが出来なかった。普段のレンからは想像できない悲痛なその姿にあたしはただ立ち尽くし、見てるだけだった。
誰にだって悩みの一つや二つはある。人に言えないことだってある。そんなの百も承知だ。
だけど…
あのとき、消えてしまいそうな程儚く静かに涙する君の背中を、僕は抱きしめたい、君が辛く苦しいときの支えになりたいって思ったんだ。いつからなんてわからない。でもあの夜“仲間”としてだと思ってた“それ”は、本当は違うんだって気付いたんだ。
「ファイターとメイカーに言われたからここへ来たんだ?」
「っ?!え?やっ…夜天?!」
意地悪な質問。君は僕のことを男として意識していないことは知ってるよ。でも…君が自分の意思で来たっていう砂つぶ程の望みをかけて、こんなこと聞いちゃうんだ。
「ねぇ、どうなの?」
「えっ、いや…一緒にお茶したかったから…言われなかったとしても来てたよ?」
「っ!!」
それは少しは期待していいんだろうか?それとも君のことだから“仲間”として?
例え今は仲間としてだとしても、そのうち“恋人”としてって言われたい。いや、いつか言わせてあげる。
「そう」
「?……あの…どうして夜天なの?」
「…僕が飲みたいから」
「?そっ…そうなの」
ねぇレン、いつか僕だけにレンの全てを見せて。僕だけのプリンセスになって。僕は君の全てを愛すから。嬉しい時も悲しい時も、隣にいるのは僕であってほしい。
今はまだおしえてあげない。でもいつか必ず全力で伝えるから。僕の気持ち。
だから…覚悟しててよね
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