稲妻

□1話
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狩屋side



どうして今まで忘れてたんだろう?



この世で唯一の大好きな家族……たった1人の姉を。










「かーりーやー!?」



「ヘ?」



ふと天馬君に名前を呼ばれて思考を閉ざした。
不思議そうに此方を見ている天馬君と輝くん。
信助君も居たみたいだけど小さくて分からなかった。



「狩屋今日上の空だね?何かあったの?」



「……あ〜今日放課後部活出れないからかな」



「え!?何で?」



「瞳子……家の人がさ大事な話があるからって。」



「大事な話?」




首を傾げる3人に曖昧に笑うと神童先輩の早く着替えろよ、と言われて3人は慌てて着替え始めた。



「狩屋」



一足早く着替え終えていたらしい剣城君が隣に立っていて何時もの顔で昼休みに何時もの空き教室に来いと言われた。

違うクラスだから何時も空き教室で二人でお弁当食べていたけど何で今日だけわざわざ言って来たんだろう?

……。









「昨日のミュージックステージ見たか!?」


「当たり前だろ!アヴェク・トワ出たからな!」



「歌は上手いし、可愛いし!」



「新曲は陽菜ちゃんがセンターだしな‼」




アヴェク・トワ……。



3年前から人気が出始めて今や大人気の女性アイドルグループ。


廊下で話す男子達にチラリと見てから溜め息をついた。


確かに俺も好きな歌があるし!


サッカー部にも何人かファンがいるし……近々東京ドームでライブもすると聞いている。



チケットは取れなかったけど……何か良いこと何も無いような……。







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