短編
□初夕日
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一方その頃.....
｢....んぅ...理佐ちゃん？｣
｢あっ....梨加ちゃん｣
｢おはよう｣
｢お、おはよう｣
｢...あれ？愛佳とねるちゃんは？｣
｢....初夕日見に行くって出てったよ｣
｢....理佐ちゃんは行かなかったの？｣
｢......うん｣
｢....どうして？｣
｢.....梨加ちゃんが起きた時にひとりだったら嫌だから｣
｢ありがとう、理佐ちゃん｣
｢....いや、、そんな大したことじゃ.....｣
｢ねぇアオコ、理佐ちゃんは優しいね？｣
｢....｣
｢けどその優しさは、時に人を傷つけてるんだよ？｣
｢....えっ？｣
｢....理佐ちゃんを好きな人は優しくされたらもっと好きになっちゃうの。
...私だったら....好きな人には自分だけに優しくして欲しいって、思っちゃう。
.....特に理佐ちゃんには｣
｢....梨加ちゃん？｣
｢....あのね、理佐ちゃん。
ずっと言えなかった事があるの。
私ね.....好きなの。理佐ちゃんの事｣
｢.........ほんとに？｣
｢....ほんと。
...でも理佐ちゃんは愛佳が好きだもんね。
わかってる｣
....ギュッ
｢理佐ちゃん？
こういう事は好きな人にしないと...｣
｢いましてるよ？｣
｢....えっ？｣
｢私の好きな人に、してる｣
｢....私？｣
｢...そう。ずっと好きだった。
きっと梨加ちゃんよりも前から｣
｢....両、想い？｣
｢そうだね。両想いだ｣
｢..ﾌﾌｯ嬉しい｣
｢私はもっと嬉しいよ？｣
｢なら私は理佐ちゃんよりもっと嬉しい｣
｢梨加ちゃんは負けず嫌いだね｣
｢理佐ちゃんは優しい｣
｢梨加ちゃんにしか優しくしないよ｣
｢ほんとに？｣
｢もちろん｣
｢みかん置いててくれるの、私だけ？｣
｢なんでいきなりみかん？笑｣
｢だって置いててくれたから｣
｢もちろん。梨加ちゃんだけ｣
｢あっみかんに落書きされてる！｣
｢ん？ほんとだ！顔かな？｣
｢なんか理佐ちゃんみたい｣
｢じゃあこっちに梨加ちゃんの顔書こう｣
｢.....なにそれ〜？
全然似てないよー。笑｣
｢似てないか。笑｣
｢でもお揃いだね？｣
｢食べちゃうけどね。笑｣
｢んー愛佳達に見せてからね？｣
｢じゃあ愛佳達帰ってくるまで何する？｣
｢......ンンー....｣
｢またゲームする？トランプとか｣
｢....ううん｣
｢何かしたいのある？｣
｢...うん｣
｢何がいい？｣
｢.......もう一回....ギュッてして？｣
｢.....いいの？｣
｢.....うん//｣
｢...じゃあギュッてしながらもうちょっと寝よっか？｣
｢うん！.......ねぇ理佐ちゃん？｣
｢んー？｣
｢来年もずっと、一緒に居ようね｣
｢もちろん。...大好きだよ、梨加ちゃん｣
机の上に置いたみかんにはお互いの顔が寄り添っていた