短編

□3秒の天使
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今日は生憎の雨


てゆうか今週はずっと雨なんだってさ

もう最悪

だってあの子に会えないじゃん?
すれ違えないじゃん?

見れるだけでよかったのに。

はぁ、早く1週間おわれー!


ヘッドホンを付け電車に乗り込み
開かない側のドアに立つ

今日はテンション上がらないし
ワンオク聞いて立ち寝でもしよう

下を向いて目を閉じようとした時
前の空いている場所に乗り込んできた人が
何かを落とした

うっすら目を開けて見てみる

女子高生かな?


.....ん?

何処かで見たことのある制服

今度は目をもう少しだけ開けてみようとしたのに自分の意志とは反し見開いてしまった

何故かって?


それは

いつもすれ違っていた彼女が
目の前に立っていたから

胸くらいまでの髪に綺麗な顔立ち

忘れるわけない


絶対に彼女だ


どこの学校なのか
彼女がどこの駅で降りるかでさえ知らない


けどいつものたった3秒


3秒しかすれ違う事しか出来なかった天使が


今、目の前にいるんだ
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