短編

□ピアノに惹かれて
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「愛佳、ただいまぁ。遅くなってごめんね?」

「あーおかえりー」

「お風呂入った?」

「さっき入ったよー」

「じゃあ私も入ってくるね」

いつもより遅くに帰ってきて
そそくさとお風呂にいった私の愛しい人

その子はこの家の主。


「..気持ちよかったぁ」

早いな。

ベリいつもこんなに早かったっけ?

あっつーい、なんて髪はまだ濡れたままで
ソファに寝転ぶ私の上に乗っかった

「何してんの。ちゃんと髪乾かさないと
風邪ひくよ」

「...んんー愛佳が拭いてくれるからいいのー」

「コラ、自分でしなさい。
てかベリさ、お風呂こんなに早かったっけ?」

「...いつもよりお仕事終わるの遅かったから、
早く愛佳の近くにいたかったの」

「.....もう…しょうがないなぁ」

そんな事を言ってくれるベリが可愛くて可愛くて、仕方なく髪をタオルで拭いてあげる

ワシャワシャしてあげてたら
シャンプーに匂いがした

ついさっきうちも入ったばかりだからか
自分からも同じ匂いがする

「愛佳、今日も学校行ってないでしょ?」

「...行ってない」

「行かないとダメでしょ?」

「...寒くなってきたし」

「ダーメ!」

「んー」

「でも確かに寒いよね」

「もう冬だしね」

「じゃあもうすぐで1年だ」

「何が?」


「私たちが出会って、もうすぐ1年だよ?」


そうだ。
もうすぐ出会って1年だ


出会った発端?
事の発端は忘れもしない1年前より前の事だ
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