短編

□ヒーロー
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青い空

オレンジ色の太陽

あっあの雲アオコみたい

空を見上げて眩しいなぁなんて思っていたら
いきなり目の前が真っ暗になった

「べーり!」

私の目を大きな手で覆ったこの子は
私の幼なじみの愛佳

ちっちゃい頃からずっと一緒に過ごしてきた

「おっはべり!」

「愛佳!おはよう。
どうしたの?今日はテンション高いね?」

「んー朝から可愛いベリの顔を見れたからかなぁー?」

愛佳はいつもこんな冗談を言ってくる

「こら、なに梨加ちゃんの事口説いてんの」

あっ来た

愛佳の頭をポンッと叩いたのは
この子も私の幼なじみの理佐ちゃん

理佐ちゃんはいつも優しくて綺麗

理佐ちゃんもちっちゃい頃からずっと一緒に過ごしてきた

「おはよう、梨加ちゃん」

「おはよう、理佐ちゃん」

「おいおい理佐!邪魔すんなよせっかく
ベリの事独り占めしてたのによー」

「独り占めなんて100年早いんだよ」

「なんだとこら」

「ほらさっさと学校行くよぉー」

頭に背を向けて歩く2人

リュックの愛佳
スクールバッグの理佐ちゃん

左側にヘアピンと光るピアスをつけている
理佐ちゃん

右側にバッテンにヘアピンを付けてる愛佳

似た者同士だけど全く違う


「ベリ、今日も可愛いんr」

「だから口説くなって」

「これは私の口癖みたいなもんなんだよ。
てか理佐ベリと近い、離れろ」

「やだよ、愛佳こそ近い離れろ」

「私のがベリの事好きなんだからな?」

「愛佳より私の方が好きだし」

「なんだとー理佐」

「なんだよ愛佳」

「...んふふ、また喧嘩してる」

「「私のがベリの事好きなんだから!!」」

毎朝こんな2人のじゃれあいを見て登校する朝が大好きなんだ


「ねぇあかねん、理佐ちゃんと愛佳は?」

「あー見てみて」

お昼にはいつもいるはずの2人がいない

だから教室にいたあかねんに聞いたら
あかねんは窓に連れ出し大きな木を指さす

そこに居たのは愛佳

女の子が頬を赤らめて頭を下げてた

あっ...告白かな

「ほらあっちも」

真逆の方を見てみれば理佐ちゃんもいた

「あっちは1年生かなぁ」

告白.....だよね

「愛佳も理佐もほんと人気だね?」

「....人気」

「ぺーたんはどうなの?」

「.....どうって?」

「いやじゃないのかなって。
てかさ、ぺーたんもそろそろどっちかにしてあげないと、2人共可哀想だよ?」

「....2人が...可哀想」

「....まぁだわかってないみたいだね。
2人の気持ち」

「....2人の気持ち?」

「じゃあね、ぺーたん可愛いぺーたん好きっていつも言い争ってるのは誰と誰?
ぺーたんの傍に必ず居るのは?
もしぺーたんが困っている時に助けてくれるのは?」

「....愛佳と理佐ちゃん」

「でしょ?ぺーたんに対して特別な想いが無かったらそんなことしないよ。
けどそろそろどっちかに絞らないと、
ぺーたんが曖昧にしたままじゃ2人の関係、ぐちゃぐちゃになっちゃうよ?」

2人の関係が、ぐちゃぐちゃになる。
それは嫌だ


けどどうすればいいのかわからない


私にはどっちも大切で大好きな存在



決めれないけど決めないといけない
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