短編

□3秒の天使
1ページ/2ページ




「それであん時さぁ.......」


毎朝すれ違うたったの3秒

その3秒が私には至福の一時だった

「愛佳!聞いてる?」

「....ん?あぁなんて?」

「ほんとあんた話聞いてないのなー」


私は毎朝チャリで通学する時に
たったの数秒だけある子に会える時間がある

会えるって言ってもただすれ違うだけ

ただそれだけなのに
たった3秒程だけなのに

君とすれ違うだけで今日一日幸せなんだ

「えっ?!好きな子?!」

「いや好きって言うか気になるってか、
なんか朝すれ違うだけで幸せなんだよね」

親友の理佐にその事を相談した

正直誰かに話したくて仕方がなかったんだ

「あんたバカ?好きってそうゆう事だよ」

「せめて名前だけでも知りたい」

「学校とかわかんないわけ?」

「わかんねぇよ。
見たことない制服だし」

学校も名前も年齢もわかんない相手を
好きになるなんてホントのバカだよね


「なぁ理佐今日暇?」

「暇だけど」

「ラーメン付き合え!!」

「はぁー?」


学校が終わって理佐を連れあたしがバイトしてるラーメン屋でラーメンを食べる

ラーメンを食べてる時はやっぱりあの子の話をした

あの子の特徴とかどんな制服なのかとか

あの子は私と同じくらいの髪色で
長さは胸下くらい

くっきり二重の綺麗な顔立ち

制服姿はすれ違いに見る限りスタイルも抜群

きっとどんな服を着ても似合うんだろうな

ラーメンのお代は店主のおっちゃんが
おまけで出してくれた

おっちゃんいつも優しいんだよなぁ

「あー美味かったぁ」

「まじ美味しいよねここ」

「だろぉ?私の目に狂いはない!」

「愛佳の目に狂いがないんならその子も可愛いんだろうね」

「当たり前だしっ!
もうね、可愛いとかのレベルじゃないから」

「なら私も惚れちゃうかもねー」

理佐は悪戯っぽい顔でそん時はよろしく〜
なんて事を言い出す


そんな事言われたら、会いたくなっちゃうじゃん
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ