長いお話

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ミーンミンミンミーン


あれから何日が経ったんだろうか


あの後、ベリは…。



いや、今は思い出したくない気分

けどそれのせいかその日からはほとんど
眠れなかった

正直食欲もないから毎日パンだけを食べて生活していた

そんな生活が続いて数日。


''新着メッセージがあります''



朝方にようやく眠りにつき
目が覚めた頃、LINEが来てたことに気づく

送り主を見ると、ベリだった

少し嫌な予感がして恐る恐る開いて見る


''ちょっと用事があるから先に行っててね''


え?今日ってなんかあったっけ?

ベリとデート?
いや違う。

もしベリとデートなんかだったらワクワクして絶対に忘れない

この前のお泊まりの時だってワクワクして
忘れなかった

とりあえず歯を磨こうと洗面台に向かい
歯ブラシに歯磨き粉をつけて歯を磨く

そういえばさっきのベリのLINE、
なんだったんだろう

今日なんかあったっけ

時計とカレンダーを交互に見つめ考えるも
時計のチクタクという音だけが響く

だんだんと蘇る記憶

全てのピースがハマった瞬間、
私の顔は焦りに変わった


「…学校!!」

気づいた時にはもう遅い

現在時刻は9時過ぎ

もうすでに始業式は始まっている

なのに私はというと口に歯磨き粉をつけて
着替えてすらいない

全く出かけれる状態じゃない

もう学校に行っても始業式には間に合わない

今日は部活あるだろうし部活だけ行こう

早めに用意を済ませヘッドホンを頭につけて
自転車にまたがった


学校に着いたのは10時過ぎ


ほんとはもっと早く着いたけど
気づいたらベリの家に着いてた

あー癖だな

こんなにも癖付いてたんだ

教室に行けばもう誰も居なかった

確か部活は12時からだっけ?

もう少し時間もあるし自分の机で寝ることにした


あれ、ここどこだ?

目の前にはまっさらなコンクリートの先に格子があって見覚えがある

なんだろ、身体がフワフワする

横にいるのは、ベリ?

あぁ、夢の中にいるんだな。

この前の花火大会の時と全く一緒

できれば思い出したくない

だってあの時私…….…、


「梨加が好き」


まただ、また言っちゃった

もう嫌だ、返ってくる言葉なんかわかってる



『私もマナカ好きだよ?
いつもありがとう』



ほらね、こうなる事はわかってた

だって現実の世界でも、
全く同じことをいわれたから

結局ベリは私のこと、
友達としか思ってないんだ

もういい。

もういいから早く現実に戻してよ


「…し……だ….志……志田!!」

やっぱり夢だった

誰かに叩き起こされて目を開けたら
目の前には理佐がいた

「……ベリ」

「梨加ちゃん?
あんたなに寝ぼけてんの?」

「….理佐...あれ?もう部活?」

「部活ならとっくに始まってるし。
てかあんた遅刻したんだって?」

「…始業式、忘れてた」

「ほんとバカだよね。
さっ早く部活行くよ?」

「…うん」

早く現実には戻りたかった

なのにベリに会いたい

そう思ってしまう自分はなんなんだろう

あの時、言わなければよかったな
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