長いお話

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あれから何日が経ったんだろうか

私はあの日以来、ベリを意識するようになった

けどそれ以上に変わったことがある

お昼を一緒に食べるようになった

いつもならオダナナと食べているのを辞めて
ベリと屋上で日向ぼっこしながら食べる

ガヤガヤした教室よりも心地がよくて
楽しいひと時だった

私はもっとベリの事を知りたくて
彼女にたくさんの質問をした

彼女についてわかったことがある


唇を噛んだり隠したりするのは
緊張とか困るときの癖

好きな食べ物は甘いものとお肉

嫌いなものは魚介類

学校にはバスと徒歩で来ている


たくさんのことを知れた


「君のハートに?」

「レボリューション!」

一見大人しそうに見えて
実はギャグをやることもわかった

知れば知るほど、一緒にいたくなった


「あ、アオコみたいな雲だ」

またアオコの話

ずっとずっと気になってた

アオコがなんなのか

でも聞けない

だってそれが好きな人だった時に
私はどうすればいいかわからないから


「ねぇベリ、アオコってなに?」

「アオコはね、私ね友達!見たい?」

「見たい!」

「…ジャーン!可愛いでしょ?」


ベリが鞄から出したのは
くじらみたいな白と青のぬいぐるみだった

なんだ…人形か。

少しだけ、胸がほっとした

けど学校に人形って….笑

「学校に人形持ってきてるの?」

「うん!アオコはね、宝物だから」

「アオコ↓?」

「ア↑オコ!」

「だからアオコ↓?」

「だからア↑オコ!」

「ア↑オコ?」

「そうア↑オコ!」

なんだか面白くて2人して笑った

ほんとにアオコが人間じゃなくて良かった


キーンコーンカーンコーン


あっやばいチャイムが鳴った

私たちは時間を忘れて話してたみたいで
ダッシュで教室に戻った

教室に入ればみんなはもう席に座ってて
座ってないのは私たちだけ

しかも次の授業は澤部先生

はぁ、またつっちーにチクられる


「おーい遅いぞー。早く席に着けー」



坊ぅ。のバーカ




授業が終わってヘッドホンを着けたら
オダナナとあかねんが急に飛び出してきた

あ「ねぇどういうこと⁈」

「なにが?」

「ふ、た、り!いつの間に仲良くなったの⁈」

絶対聞かれると思った

ってかこの2人が聞かない方がおかしいか

「いつっていつだっけ?」

私は1人じゃ答えたくなくて
横にいるベリに聞いてみた

「…わかんない。笑」

「ねえ渡辺さん!モナとお昼食べてるの?」

「えっそぉなの〜?ねえねえほんとお〜?」

「オダナナうるっさい!」

「…んふふ、うん」

ベリが答えると2人は一斉に
やっぱり!って顔を見合わせてた

なんだ。
バレてたか

「ベリ、明日も一緒に食べるよね?」

「うん!」

目を細めて笑う彼女は、ほんと可愛い

チラッとオダナナたちを見れば
2人も同じことを思ってる

あ「ま、待って!
明日は私たちと食べない?」

「えっ、あかねんゆっかーと食べないの?」


「あかねーん?いるー?」

ゆっかーの話をしてたらちょうどよく
ゆっかーが教室に来た

「あっゆうか!ちょっと話あるから!」

それっきり、あかねんは学校が終わるまで帰ってこなかった

「ラブラブだなぁ」

「ラブラブ?」

「あかねんとゆっかー、付き合ってるんだよ?」

「えっそうなの?」

「そうだよ〜。まぁ2人共お嬢様だからね付き合うのも無理ないよぉ」
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