長いお話

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「ちょっと志田〜!
なに授業さぼってんのよぉ〜」


教室に入ればオダナナのおネェ口調が
またうるさくしてる

「うっさいなぁ」

自分の席の周りにいたオダナナたちなんか気にせずベリと隣同士に座った

今さっき、彼女と約束したことがある




学校を案内してほしい




確かに今日来たばっかで学校中なんか
わかるはずがない

いつもなら面倒くさい、嫌だと答えていたのに、彼女だと応えてあげたいと思うのは何故だろう

「志田〜。今日って昼から部活〜?」

今日は昼まで授業でその後は部活のはずだったよな

部長からもなにも言われてないし

「多分ぶか…」

「志田ー。志田いるー?」


声の主の元をたどれば
ドアの所に渡邉理沙がいた

彼女は隣のクラスで同じバスケ部員


「理沙なにー?」

「今日と明日部活なしだって!」

「なんで?」

「わかんないけど、会議かなんかがあるん
じゃないの?」


なるほどねぇ


理沙は伝えたいことを言うだけ言って
帰って行った

「じゃあ志田今日と明日は何もなしだぁ」

「そういう事だね」

「だってあかねん!」

「だね!ねぇモナ!
今日ケーキ食べに行かない?」

「今日?」

「今日!」

今日ほんとはベリの学校案内をしたかった

チラッと横に座ってるベリを見たら
彼女も一瞬こっちを見て目を反らす



「…わかった。ケーキ、食べに行こ」
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