▼小説

□独りの少女の大きな旅立ち(長編)
1ページ/9ページ

※設定に現時点で未記載の新キャラが出てきます。



朝というのにも早すぎるくらい外は暗いだろうけど、両親は荷作りをして旅立つ準備をしていて私も見送るために今日は早く起きて台所の椅子に座って二人の様子を眺めていた。まだ眠いのだがもし運が悪ければ親と会える最後の日になるかもしれないのだ。


私の生まれる前に白魔術一族が人間と手を組んだせいで各地に大きな戦争が起こっているので母の一族と魔術師が手を組んで敵対しているそうだ。父はどの一族でもないので関係ないのだけれど母を守るために一緒に戦っているそう。二人が戦争に行くたびに私はいつも一人で泣きながら待っていなければいけなくて、ご近所のエルフ族の女性でも戦争に言っている人が多いのでいつも孤独だった。エルフ一族は大人が多くて友達が居るわけでもない私はこの孤独が本当に木らだった。まだ小さい頃は母は此処に残っていたのだけれど年々エルフ族の数が減少しているので私が12歳の頃から戦争へ行くようになった。父はドラゴンになれていつもかすり傷程度で帰ってくるしあんまり心配してはいなかったのだけれど母は小さい頃から武術を習っていた訳でもなく、強いは強いのだがまだ他のエルフよりかは劣っているらしいのでとても不安になるのだが、それも今日で終わり。



「リリー、そろそろ時間だ。」


「そうね、じゃあエラ。行ってくるけれど私達が居ない間ちゃんとご飯食べるのよ。」


「私の事は大丈夫よ!そんな事より絶対死んじゃダメだからね!」


「今まで生きて来れたんだ、大丈夫だろう。

エラも火の扱いには気をつけろよ。」


「平気平気!!いってらっしゃい!!」



二人と順番に抱き合い家を出るのを確認してから急いで部屋に入り寝間着から着替えて動きやすい服にマントを羽織った。背中には母から貰った弓矢を抱え、腰にはナイフと薬品、あとは食糧と薬草とかがいっぱい入ったリュックをしょって準備は万端。鏡を見て一回周ってみるがこんなお洒落感覚で戦争へ行ったらエルフ族の人にすぐバレテしまうだろうから包帯をキツく巻いて胸を潰し、髪を一本に縛り、口にはマスクをした。身長的には少年といったところだろうか、とりあえずエラ・ホワイトというのはバレないだろう。


外を出るとエルフ一族が馬に乗って戦地へ向かう途中だったので静かに納屋から私の馬を連れてきて列に混ざった。私を不審に思う人はいなく、難なく家から脱出して戦場へ行くための準備が整ったのだった。


____
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ