★愛欲の施設 - Love Shelter -

□第9話 無駄に広い我が家
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同じ男なのに感触も強さも質量も違う。
体中を支配する快楽に、もはや抗う術はどこにも残っていなかった。


「っ…陸ァッ…ん…ッ…あっ」


快楽しか感じない。
たった一ヶ所から込み上げてくる感覚が、縛られた腕でさえ情緒を刺激する。
抱きあげられて、座るように上下に跳ねる身体が止まらない。


「イッ…きもち…〜っい」


敏感になった肌を陸の両手に撫でられるとゾクゾクする。

もっと

モット

欲しいとねだるように腰がうねる。


「エッロい女。」

「ッ?!」


少し離れた先で腰をおろす輝の視線が妙に心地よかった。


「ちょ。輝が余計なこと言ったら、優羽が反応するじゃん。」


ビクリと身体をのけぞらせた優羽の姿に、陸がふてくされた顔で文句をいう。


「ただでさえ感じちゃってる優羽のせいで、意識が飛びそうになってるのにっ。」

「ッ!?」

「ほらっもぉ〜、またしまった。」

「そりゃ、自業自得だろーが。」


なんでも他人のせいにしてるんじゃねーよと、輝が陸に声を投げかけるが、ひときわ高い優羽の声にかき消された。
その姿に理性を消しかけた陸だったが、逃げようともがく優羽の腰に、なんとか思いとどまったように息を吐く。


「逃げちゃダメだってばっ。ほら、まだこんなに感じちゃってるのにさぁ〜。」

「ヤッ…もぉ…アァァァッァ」

「可愛い顔して、相変わらずヤルことえぐいな。」

「輝ほどじゃないっよ。」


何が気にさわったのか、グリグリとねじ込んでくる陸の動きに体が悲鳴を上げて逃げようとする。


「まだまだイケるでしょ?」


輝が感嘆の息を漏らすほど、優羽は陸の上で泣く。
暴れ馬に振り落とされないように陸の両手に固定された腰の入口は可哀想なほど卑猥な音を滲ませてぬかるんでいる。


「ッも…〜っむ…ッ…りッ」

「気持ちよさそうな顔してるから大丈夫、大丈夫。」


顔を歪ませて快楽から解放されようと悶える優羽の震える声に、陸はにこりと笑顔を向けるだけ。
止まない律動
引きずり出される性欲
小刻みに震える優羽の身体に陸は意識を集中して堪能していた。
しかし、すぐにまた輝に邪魔される。


「あーぁ、陸が放り投げたせいで壊れちまってら。」

「それ。もしかして製品化のリストに入れるつもり?
みてよ優羽。アレ、また改良して使うつもりらしいよ?」

「ッ?!」


見るんじゃなかった。
今、アレを使われたら死んでしまう。

目を見開いて面白いくらいに取り乱し始めた優羽に、輝だけじゃなく陸の顔も恍惚にゆがむ。


「想像しただけでイケるくらいよかったってさ。」


だから邪魔するなと目で合図した陸に輝は肩をすくめて傍観に転じた。
その証拠に、輝は陸に突き上げられて言葉にならない悲鳴をあげる優羽を見つめてはいても、壁にもたれたまま動かない。


「お願ッ…ヤダ…もぉ…や…ッ」

「うん、じゃぁこれで最後ね。」

「あッ…陸…アアァッア」


世界が倒れていく。
息をしているのが不思議なくらい、陸の上に倒れこんだ身体がギシギシと音をたてるようにきしんでいた。


「中、すっごい痙攣してる。」

「アッ!?」


陸の鼓動を聞きながら撫でられる頭と腰に優羽はビクリと反応する。
最奥の部屋へと放たれた精液は先に注がれた輝のモノと混ざり合うように、陸の温かさを伝えてくる。
ドクドクと粘りを帯びて最後の一滴がこぼれ落ちるまで優羽の内部に埋められたものは動こうとしなかった。


「ふぁっ」


ぐったりと力が抜けた優羽の身体は、逃げられないようにしっかりと押さえられていた腰と一緒に解放される。
ついでに縛られていた腕も解放されて、優羽は満足に呼吸ができるようになった身体を抱きしめた。


「手、見せてみろ。」

「あと残ってない?」


まだふわふわと別次元をさ迷うように力の入らない優羽に伸ばされる二人の手。
ものの数秒前まで犯されたいたのが不思議に思えるほど、大きくて優しい手に優羽の手首はその状態を確認するように観察される。


「ッ?!」


今頃、恥ずかしさが再来してきた。
真っ赤な顔を隠すように優羽はうつむいたままされるがままになっていた。


「あぁ、優羽。その制服、ちゃんと晶に返せよ。」

「えッ!?」

「もちろん感想つきでね。」


冗談じゃないと顔をあげた優羽は、輝と陸の言葉に口をぱくつかせるしかない。


「ってか、着たまま出迎えるか?」

「それいい!そうしよ。」


どう思ったところで、ふわりと抱きあげてくる輝と、にこりと笑う陸を相手に戸惑いも拒否も許されるはずがない。
結局、優羽は制服姿のまま強制的にリビングへと運ばれることとなった。


「だっ大丈夫かな?」


台所で夕食の支度をする二人をしり目に、優羽は小声でつぶやいた。
きちんと着直した制服を見つめると、また顔が赤くなって落ち着かない。
気晴らしに顔を向けた窓の外は、すっかり夏の夜空が広がっていた。

───────To be continue.
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