◆心のひだまり◆
□雨の日。
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キミに会いたい――
雨の日。
――ザァァ…
「はぁ…」
今日は朝から生憎の雨。折角部活で気分転換をしようと思っていたのに。
「…帰ろう。」
3-6の教室のドアを開ける。
――ガラッ
そこに居たのは一人の知らない女子生徒。
…いや、忘れようとしていた存在。
『ッ…!』
相手はいきなりドアを開けたせいか、かなり驚いている。
「驚かせちゃったみたいだね。ごめん。」
『ううん、ボーっとしていた私が悪いの。』
「何か忘れ物?キミがボーっとするなんてめずらしいな。」
『…違うの。今日は貴方に用があって…』
「僕に?」
『うん、ちょっと…』
参ったな。すぐに帰ってサボテンの世話でもしようと思っていたのに。…なんてウソを思いついたけど言わない。だって。
「丁度いいな。ボクも君に話があるんだ。でも今日は雨で屋上はびしょ濡れだし、どこか落ち着いて話が出来る所に行くっていうのはどうかな。お勧めの喫茶店があるんだけど…」
『何処でも良い。本当にちょっとだけだから…』
何の話だろう?
心当たりが有り過ぎて、困る。