長い夢
□神と人
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朝早く起きてから、着物に袖を通して境内を掃除、そのあと料理を作る。今日は2人分か
学校は休むようにと言われそのようにする。別に未練がないわけじゃないが仕方ない。
我が儘言えるような身分じゃないしな
料理を並べ終えたとき紺野がちょうど起きてきた
「油揚げはないんですね……」
「たしか、いなり寿司があったが食べるか?」
「ぜひ!……すみません、失礼しました」
「別にいいさ、どうせ冷蔵庫の中空にしとかないといけないんだ」
「あぁ!手伝いましょうか?」
「いやさっき料理を作ってタッパーに詰めて、ふもとの爺婆に配ってきて挨拶も済ませたから特にない」
「みなさん早起きなんですね……今が8時なのに」
しみじみとつぶやく紺野はいなり寿司を食べて幸せそうだ
「早起きは三文の得だぞ。さてと今日はどうするんだ?」
「一度、政府の対策本部に向かいそこから本丸を作っていただきます。」
「本丸を作るって、俺大工できないぞ」
「違います!そうですね、私達が住む世界を現世としたとき、その周りには狭間と呼ばれる異世界が存在します。力のある神は狭間に、自分の世界を作ります。神隠しと言われるのはこの世界にに人が迷い込む事をいうのです」
「ほぅ、じゃあ俺は狭間に俺の世界を作ればいいんだな。……そんなに力ねぇと思うんだがな」
「ええ、いくら名前さんが力が強くても世界を作るのは難しいです。なので、先に核となるものを用意し、そこに霊力を込めていただきます。漆の木箱なのですが名前さんの縁の深い物を入れてもらいたいのですが……ありますかね?」
「……真名を書いた紙だ、俺の血とばっちゃとじっちゃの血を墨に混ぜて書いたものだがどうか?」
「いいですね、それにしましょう!」
もぐもぐと口を動かしてしゃべる男は本当に俺より年上なのだろうか