Novels
□Love me tender
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大好きなこの歌は、ふとした時に無意識に口ずさんでいる。
今おれは、はっきり言って物凄くヒマ。
だから―なのかはわからないけど、今も口ずさんでいたらしく、いつの間にか部屋に入って来てたコンラッドが、ちょっと驚いた顔をしている。
おれがこんな曲を口ずさむなんて思っていなかったのだろう。
「―――ユーリ…今の曲は…?」
「へ?あぁ、何でか知らないけど、子供の頃から知ってる曲でさ…落ち着くんだ」
珍しく緊張した表情のまま聞いて来るコンラッドに、照れ笑いを交えながら言う。
するとコンラッドの綺麗な瞳が、一瞬曇った……様に見えた、けど。
…気のせいかな…
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