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□君が遠く離れても
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「…そうなったら、コンラッドは哀しいとか寂しいとか、思ってくれるかな…って思ったから…」
「ユーリ…」
とても哀しげな表情で泣きそうになりながら心の内を明かしてくれたユーリが、今にも消えてしまいそうで。
「そんな事、あるはず無いのにね」と言って笑った顔は、とても不安定な、不自然なもので、胸が締め付けられる様な痛みと共に、ユーリの心の更に奥深くを知った。
不安、なのだ。
こちらの世界と地球とを往き来しているユーリにとって、その移動は何時起き、また、何時出来なくなるかわからない不確定要素だ。不安になるのも無理はない。
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