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□君の声。
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好きな人の声っていうやつは、どんな時でもすぐにわかる。
名前を呼ばれれば、それだけで心臓バクバクになっちゃったり。
「声…っすか?」
「そ。声」
おれは今、中庭のベンチに腰掛けてひなたぼっこしながら、隣に座るヨザックに語ってる。話題はコンラッドの声の事。
「あいつの声…ねぇ」
何だか妙な顔をして笑っている。
「うん…ちょっと恥ずかしいけど大好きなんだ」
と、その時。
「何が大好きなんですか?」
「!!」
突然耳元に囁かれた声にびっくりして肩を跳ねさせると、頭上からクスクスと笑い声が降って来た。
「…笑うな」
「失礼…でも、いくら何だって驚き過ぎでしょう」
落ち着いた、大人の男って感じの低い声。
この声が、おれの大好きな声なんだ。
「隊長のこ…」
「わーーーっ!!ばっ…ばかヨザっ!!」
何言ってくれちゃってるんだよっ、ばかっ!!
本人には知られたく無いんだよ!!
あぁもう…知られたらと思うだけでも恥ずかしい…
「俺の…何だって?」
何で食いつくかな、コンラッド!!
「ユーリ?」
耳元で囁かれた声にまた胸がドキドキ高鳴る。
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