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□甘え方
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「…ん…?」

 朝。
 鎖骨の辺りを擽る柔らかな何かに気付き、目を開ける。

 普段と変わらぬ、殺風景な自分の部屋。

だが、体に密着している細く柔らかい体と見慣れた黒髪は、普段あまり無いもので。

 驚きから身を固まらせて凝視していると、その体は俺の腕の中でもそりと小さく動く。が、気持ち良さそうに寝息をたてて眠っており、一向に起きる様子が見られない。

「…ユーリ?」

 恐る恐る声をかけると彼は小さな呻きを漏らしながら瞼を震わせ、ゆっくりと目を開いた。

「んー……あ、コンラッド…おはよ」

 寝ぼけているのか、舌足らずに言って微笑むユーリに、年甲斐も無く胸が高鳴る。

「…あったかぃ…」

 まだ半分眠りの世界の住人と化しているユーリは、俺の体にぴったりとくっついて離れる気配など微塵も感じられない。
 けど、そんな風に甘えて来るユーリが可愛くて愛おしい。

「…何だか、猫みたいですね」

 クスクスと軽く笑いながら言うと、むぅっと頬を膨らませ、拗ねた子の様な口調で小さく反論して来た。

「む〜…猫じゃねーよぅ…」

 だが、この状態はどう見ても甘える子猫だ。



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