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□雨の日。
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「雨かぁ…」
眞魔国は、今日も雨が降っていた。
ここ数日間、ずっと雨ばかり。
国主であるユーリは、外で運動も出来ない事につまらなさそうに唇を尖らせていた。
そんな可愛らしい恋人に苦笑混じりに話し掛ける。
「つまらないんですか?」
するとユーリは「当たり前!!」と言いながらこちらに向かって歩いて来た。
ソファーに座って少しむくれている彼に紅茶を注いで渡すと、その可愛い顔をふわりと綻ばせた。
「ありがと…」
少しはにかみながら小さく呟くユーリに、どうしようもなく愛しさが込み上げてくる。
温かい紅茶を一口飲みほうっと息をついたユーリの隣に座り横顔を見つめるていると、自然と微笑みが浮かんでしまう。
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