どれも良い

□第2話
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異国の地で目を覚ました次の日
少年たちは夢だと思っていたが、やはり夢ではなかった

「おはようございます!」
「おはよう…です…」
「おはようございます…」
男のテンション高らかな挨拶に、たじろきながらも
返事をする粋樹と泰人

「君たちの朝食も作りましたよ
ワタシは先に頂いています」
男は大量に…魚やパン、白米…さらに野菜を食べていた
肉はあまり好きではないようだ
身長のわりに痩せているのは、この為だろう

「むちゃくちゃな食生活だね…」
「ね……」
少し引き気味の泰人と粋樹

「あ、食べ終わったら学校へ行って下さいね
君たちを助けてくれた子供たちも、そこにいますので」
「学校?」
男の言葉に、疑問を持つ二人

「この世界にも、学校はあります。
二人は人間界から来たようですね
やはり…どうやって、こっちの世界に来たかはハッキリとは分かりませんが…
恐らくは、あの穴が原因でしょう
やれやれ…。
魔宝界に、ただの人間。が来るなんて…実に久しぶりです
…さて、色々と疑問はおありでしょうが、
ひとまず、学校へ行って来なさい。」

「はあ…。」
気のない返事をする二人

「あなた方は…恩をアダで返すおつもりですか?
長身の男の家にいる。と、言えば分かりますよ」

その、どこか威圧的な言葉に、粋樹と泰人は
しぶしぶ、学校へ向かう事にした
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