何でもない日

□第10話
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両親との話し合いが終わって、兄妹は
文音の部屋にいた

「ありがとな」
「ううん。頑張ろうね」
「文音、どうして泣いたんだ?」
「私たちは、愛情で包まれてるんだな。って思ったの」
「確かにそうだよな」

それから、しばらく話した後

「明日、唯葉たちにも今日の事を。
僕の将来の事を、ちゃんと話すよ」
「うん!みんな待ってるよ」
「それじゃ、おやすみ」
「おやすみ。兄さん」

彼女の部屋の扉が優しく、ゆっくりと閉められた
兄が部屋から離れるのを確認すると、彼女は
感傷に浸っていた

(私は浮かれていた、甘えていた
のうてんき過ぎた。兄さんは苦しんでいたのに…!
私が兄さんを支えなきゃ…!私も…恥じないように頑張らなきゃ…!)

また、こうも感じていた
悩まずに済む日々が、何も起こらずに平穏に
日々が過ぎる事が…こんなにもありがたいの
だと。
それを当たり前だと思い
気が付きもしなかった事を強く恥じた
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