何でもない日

□第9話
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僕は…みんなを悩ませている
このままじゃいけない
はっきりさせるんだ!みんなのためにも
自分のためにも…!いや、優先すべきは
明るく、幸せな未来
この気持ちを全て伝える

少年は、葛藤しながらも…希望を見いだしていた

〜文志の自室〜

コンコン
「はい」

彼の部屋をノックしたのは、文音だった

「兄さん、父さんと母さんに…
話しに行くの?」
「うん」
「私も行く」
「……分かった。行こう」

〜リビング〜

少年は、意を決して両親に話しかけた
妹は、ただ見守っていた

「話しが…あるんだけど、良いかな?」
「うん」
「なんだ?」

応える母と父

「進路の…事なんだけど」
「私からも、兄さんの話しを聞いてあげて欲しいの」

静かに頷く両親

「父さんと母さんは…僕を…どう思ってた?
小さい事から、本ばかり読んで、書き続ける僕を」

母が優しく言った

「大きくなってからは…少しも心配したけれど…それでも得意な事があるのは、立派な事よ」
「ありがとう、母さん。心配かけて…ごめんなさい」

父が思い出したように言う

「昔に一度だけ、お前の書いた物を読んだ事がある
文音が嬉しそうに見せてきてな」

文音が恥ずかしそうな顔をする
そして、父は続ける

「俺は文学の事は…よく分からんが
お前が文学を愛している事は伝わった」

「ありがとう、父さん。それで…大学なんだけど…」

文志は、経済学を濃く学ぼうとしている事
長男としての自覚や責任
仲間で話し合った事などを、全て両親に話した
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