何でもない日

□第7話
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俺たちは、一卵性の双子だ
何もかもが、本当にそっくりだ
けれど、やっぱり個人だ

真冬の凄く寒い日の、真っ昼間と真夜中に
産まれた

産まれた直後は
冬真の方が少し大きかったらしいが、
すぐに背丈まで同じになった

名前とは裏腹に、凄く温かい家庭で
溺愛されて大切に育てられた
平等に均等に、溢れんばかりの愛情を
もらった

全てが二倍
大変さも二倍、騒がしさも二倍、出費も二倍
しつけも同時にしなければならない
ケンカも力が最初から同等だから
引き分けて、同時に泣く

本当に両親には、頭が下がる

スポーツを始める時も
最初は、バレーボールを二人でやっていたが
冬真は上手くなって、向いていたが
俺は上達せずに、向いていなかった
合うスポーツに出会うまで、転々とした

何度やめても、親は俺を責める事なく
「早く見つかると良いね。好きな事をしたら良いよ。」と言った

だから、最後に巡り会ったバスケには
全力で打ち込んだ
やがて、学校トップの実力になった。何より楽しかった

ちなみに母は
あなた達が(俺たちが)イケメンに育って万々歳よ。らしい(笑)

両親が共通して言っているのは
「同じことをしたいなら、したら良いし
それぞれが、やりたい事があるなら
それをしたら良い。あなた達を尊重したい」

俺たちは幸せ者だ

余談
俺は将来、三つ子が欲しくて
冬真は、四つ子が欲しいらしい
俺たちは自由な双子だ

「ねぇ、幸せだね」と俺が言うと
冬真も同じことを考えていたらしく
「うん!」と笑顔で言った
 
ぶんちゃん達にも、幸せになる為の決断を
して欲しい

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