何でもない日

□第3話
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翌日
それぞれ、お互いに苦悩の時間を過ごした
二人は、それでも日常を過ごす



「フミー、ぶんちゃん 。おっはよー」
「フミー、ぶんちゃん」

元気な少年2人組が、キラキラとした笑顔のまま
文志と文音に駆け寄ってくる
少年2人組は、双子である
名前は、冬真と冬夜

ちなみに
フミ。は文音のあだ名、ぶんちゃん。は
文志のあだ名である

「おはよう。2人とも」
「よう、おはよう」
「あーあ、今日の体育やりたくないよー」

冬真が唐突に言う

「今日、何だっけ?」
文志が尋ねる
「バスケ。バレーが良かったな」
冬真が愚痴を入れて答えた
「やった、俺の勝ち」
冬夜が実に嬉しそうに言う

(何の勝負してるんだ…笑)
内心でこう思った
「僕は、運動は嫌いでも好きでもないからな
書く時間が取れたら、何でも良いよ」
「ぶんちゃんらしいな。けど、進路どうするのさ?」
「ホントに」

そんな会話をしながら、文志達は文音と別れ
教室へ入った

文音は高校2年生、文志達は3年生だ

「おはよう。みんな」
教室に入ると、一人の少女が挨拶してきた
「おはよう、唯葉」
「文志、ちょっと良いかしら?」
「ああ、何?」
「お話を書いて欲しいの。あなたのお話は
元気が出るのよ」
「分かった。2日間まってて」

文志は、いつもと何一つ変わらない表情で
言ったつもりだったが、唯葉は
その微妙な変化を見逃さなかった
唯葉は、文志の心情を、この時点で
見抜いていたのかも知れない

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