キヒヒ!!!!

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ブレードのようでかっこいい電気傘を手にとってクルリと回す。
傘の方へ持ち替えて、レヴィに柄を差し出してみた。

ピクと眉をひとつ動かして、受け取ってくれた。
わーい。


「カルミアとか言うふざけた名を貰っていたな、グラ」

さてと私は言葉をうける。
そして人にグラとかいうふざけた名をつけてるXANXUS人のこと言えんぞ。

「貰ってましたね。あれは私が火下咲久几じゃ嫌だと言うんで。」

「だろうな。
 逆らうお前は癌でしかない」

「言いますねえ、マイロード?」

「は。従うのは好きだろうが」

ああ、なんだ。
わきまえて立ち振る舞ってるとほめてくれたのか。
判りづらいやっちゃな

「奴隷はどうした」

「私をボロボロにして残機ゼロにしてくれたので消滅しました。
 ダメかなと思ったけどギリギリでマイナスいかなかったからラッキーですね」

「食ったのか?」

「食えないですよあんなもの」

「あらぁ、結局子供の久几も嫌いになっちゃったのねぇ〜
 でもよかったの?せっかく便利だったのに」

「いや、なによりこの時代の私の指示ですよ。正しい手順で捨てないといけなかったみたいで」

「どういうことだぁ?」


とりあえず魅々子の正体と私の役目について話してみたら。
ベルに抱き付かれた。


「王子さん汚いっす。私に触ったら服汚れますよ」

「ばっか……言えよっ!」

「ええ?」

「ゔお゙ぉい!!テメーんな大事なことをどぉして黙ってたぁ!?」


うるさっ

え。何事?
と思ってマーモンを見下ろすと、今まで傍観決め込んでいた彼は溜め息を吐いた。


「一度消えただろ。みんなトラウマだよ。
 君は心に巣食うやつだからね」

「ファー」


まじかぁ。
惜しまれても私は君らを惜しんだりしないから勿体無いよー。


「この時代の私に言ってくださいよそんなこと」


なんて思っていればベルが離れ、
代わりに近付いてきたXANXUSに睨み下された。


「……馬鹿が。問い詰めることは決定事項だ」

「じゃあよろしくお願いしますよ、マイロード
 この時代の私は何もかも知ってる奴だったから、皆につつかれることくらい分かってると思いますし」

「カス餓鬼が。承知しとくのはグラだけじゃねえ」

「というと?」

「処分中、餓鬼は消えている扱いだろうが。
 元の時代で、覚えておけ」

「あー……」


思い出すようなその語り方、僅かな肉の動き方、表情で、
いま分かった。

この時代のXANXUSが私に向けてくる心。



心酔だ。


しかも、女家族に向けるような、
横暴な信頼と確信からくる甘えを孕んだ 少し難しい心酔だ。
白蘭の元でたくさんの心酔を見てきた甲斐はあったというべきか。


「そうっすね。
 消えてもどうでも良いと思ってたんですけど……そうじゃないみたいですねぇ」

「オレにとっての最初はお前だ。
 ふざけてやがるが、
 このカス鮫がそうならなかっただけマシか」

「バカにしてんのかぁ?ボスさんよ」

「フン、カスが次点という事実だけでヘドが出る」

「あぁ!?」

「クハーっ!なるほどヒヒハヒ」


言えよとな。
血でXANXUSを見てないとな。

不器用な少年は、血のおかげで全てがあるのだと苦悩して、ひた隠してもがいていたのだ。
言葉にしなけりゃ思ってないのと同じだよな。

リング戦終了してから言うんだもんよ、スクアーロちゃん。
そんなん、
『言わなかったのは、お前が惚れたというこの怒りを損ねず持続させるためか?
 お前は血ではなく怒りでしか見てないのか、結局自分の価値は自分ではなく、たまたま特出していた断片なのか』
ってキレられても文句言えんぞ?

話し合いしても分かり合えないことのが多いのに、言わずに分かり合えるなんて奇跡だ。
世は奇跡で溢れてるというがね。

そんなことよりルッコラ(ルッスーリアおいコラ)
桔梗見せろ。
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