キヒヒ!!!!

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折角なのでツナが破壊したビル郡までやって来た。

アウターの前を開けて確認すれば、外側ににじまない程度には内側が濡れていた。

「あーぁ」

アウターを開けたまま、涙と血で濡れたインナーの首もとに指をかけ、ぱたぱたと空気を入れた。
水分が熱をもって蒸発するからひんやりする。


さて、結局どっか行けとか言うなら私がついていくの止めれば良かったのに。
護衛つけて待機させることくらいできるはずだが。

ハイにでもなってたのかしら。
目前に置かれたゴチソウに夢中だったということだ。

まあ、若いってそういうことか。

ならば私も意味なくその場をクルクル回る。
そうしてから飛び上がった。

ツナが開けたビルの大穴に着地して、しげしげと焼け跡を触って確認してみた。

いいなー、決め手になる必殺技。
私もやりたいこれ。

ヴァニタはなにか出来るようになってるのかな。
ボンゴレ匣、防衛モードとか言ってたから攻撃モードもあるってことだ。
そういえば最後、とっさに鉄笠を散らしたとき鯉ばかりで人形の姿はなかった。
ならあの人形が攻撃モードか?鯉の目眩ましのせいで人形の姿がよく見えなかっただけかも知れないが。
しかし人形が本当に攻撃モードならなんで全ての鯉がそれにならないかって話になるところだが。……複数セットになってるとかかねぇ。

まあいいや。
白蘭の指示があるまで、濡れた服を乾かしながら焼けたビルに触れていよう。

遠くから戦闘音が聞こえてくる。
すぐに収まるのだろうな。

白蘭はユニの魂が入った私に気付けなくて悔しいだろう。
欲しいものが手近で一纏まりになっていたというのに。

戦闘音が止んで暫く。

再び睡眠ガスが吹き出てきた。どんだけガス装填してんだ。
何回分も仕込むスペースなんて全然ないだろうに。科学力カンストの恐ろしさよ。

遠くなる意識に別れを告げた。
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