キヒヒ!!!!
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「なーんか話し込んじゃってるねぇ」
勝敗が決まり、白蘭はブル―ベルとともに腰を上げた。
「こっちから出向くしかないみたいだし、行こっか」
「オッケ〜!」
「了解」
「そうですね、マイハート」
全通話回線が解放され、入江正一の話を聞きながら、待機組は決着の場まで向かった。
幸運なことに、白蘭は勝利に舞い上がっていたのか正一の話に気を取られていたのか一刻も早く商品を受け取りたかったのか、久几が最後尾についても何も言わなかった。
この好機に久几は感謝し、隙をついて離脱した。
静かに距離を取り、十分に離れたところで雲蝿を開匣。
蝿の絨毯を使い、羽音以外の足音を消してカッ飛ばした。
向かう方角はボンゴレ側観覧席。
幻騎士の死骸が転がる地点。
付近に到着したところで閉匣、死臭を手掛かりにその場所を突き止めた。
「やあ、幻騎士」
雲桔梗に内側から喰い荒らされ、ぐちゃぐちゃに砕かれた骨と肉塊、皿のように広がる血だまり。
「助かるよ」
久几はメットとアウターを汚れの及ばない場所に脱ぎ捨てた。
血の皿をビチャと靴底で踏み、衣服を引き裂く。
肉塊を前にバチャッと両手をつき、大口を開けてそれにかぶりついた。
忘れかけていたその不味さに、いつものように眉間に皴を寄せて、それを貪っていった。
食べ辛い頭蓋やその他の部位などは既に砕かれていて、非常に食べ易かったので、非常に早く食べ終えることができた。
食後の挨拶言葉代わりに血だまりをぺろりと一舐めし、久几は腰を上げて幻騎士の服の一部で口元と身体に付着した血を拭った。
まるで満ち足りた心地。
身体の欠けた部分がすべて埋まり、感覚が鋭くなっている実感を噛みしめながらアウターを拾い袖を通し、スカルヘルメットをかぶり直した。
そしてたった今、背後に降り立った、禍々しい気配を感知した。
「オイ」
「…
あー
キャーーーーーーーーーーー犯されるーーーーーーーーーーーーーー!!!!オエッ」
「誰が犯すかバーロー!!
待ちやがれッ!」
原作の場、ミルフィオーレとボンゴレが集合している方角へ逃げ走った。
血を隠すようにアウターのファスナーを上げきると、さらに速度を上げた。
ドドドドドと、けたたましい足音がフィールドに響く。
ザクロも負けじとその後を追いかけた。