キヒヒ!!

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「せいぜい見せてみろ

 あの老いぼれが惚れ込んだ力を」

大空のリングがXANXUSの元へ渡り、沸き上がる緊張。

それを引き立たせるように背面から、ごつくて物々しい大型のヘリコプターが近付いて来る。

「あれは……?」
記憶にない物を見て、ヴァニタが呟いた。
それにつられるようにして、場の全員がそれに目を向け、口々に困惑の声をあげていた。

ヘリは、なにか黒くて四角いものを吊っていた。

「……女。なんの真似だ」

XANXUSがチェルベッロに視線を向けた。

「大空のリング争奪戦は大空と薄明が組んで執り行う予定でありました。

 それに向けての調整のため、XANXUS様の薄明に最もふさわしいとこちらで判断した者をお連れいたしました」

「……あ?」

「ですがご安心ください。リングがXANXUS様の元へ渡った今、あれは不要。お望みならばもとの場所へ戻すことも可能です」

「中身は何だ」

「XANXUS様が幽閉していた方です」

「……」

荷物の中身を察したXANXUSの表情が、ひどく歪んだ。

「ゆ、幽閉……?!」

綱吉が顔をひきつらせた。

その場の、ヴァリアーメンバーも含む当事者以外が疑問符を浮かべていた。

メンバーの中でスクアーロただ一人が、寝室に閉じ込められていた彼女のことと察した。内心で、やっぱりあいつが薄明になったか、とすました顔をしていた。

「連れ出すさいの抵抗が激しく、あなた様の名を使わせていただきました。その点はご容赦を。」

「人のペットを勝手に連れ出しておいて、謝罪一つで済むとでも思ってんのか?女」

「……。」

「だが今のオレは気分が良い。次はないと思え」

「ありがとうございます。
 して、積み荷はいかがいたしましょう。ここでおろしますか?もとの場所へ戻しますか?」

「……おろせ。顔を立ててやる」

「ありがとうございます」

チェルベッロが合図を出すと、ヘリは屋上に積み荷をおろし、去っていった。

地にぶつかった積み荷から、
ガォン、と、重厚な金属音が響いた。

黒いシートで包まれているものの中身が、かなりの重量を持つ金属であることがわかった。
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