キヒヒ!!

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まさか囲われた?
はは嘘だあそんな価値あるとは到底思えない。

窓を確認する。
なんだ鍵開いてるじゃん。ここから出ろということか?
がしかし……それならそうと言えばいいのに出てけとは言われてないんだよ。

まあいいや。身仕度整えるのも億劫だ。寝てよう。



数時間ほどまどろんでいると、不意に部屋の外からずかずかと荒々しい気配が近づいて来た。

ボスではないねえ。こんなせっかちな足運びはしないだろう。

程無くしてガンガンガンガンと扉を叩かれた。ガンガンガンガン、ガンガンガンガン、ガンガンガンガン、ガンガンガンガン。

しつけえ。

しかし変わらず居留守を決め込む。だってここには誰もいないことになっている。

込み上げた欠伸に従って脱力していれば、扉の向こうから舌打ちが聞こえた。


「う゛ぉ゙おい!処理屋ァ!居るのはわかってンだぞぉ!とっとと出てこい!!」

うーん。扉からは出れないんだよなあ。

「蹴破るぞお!」

「ッでぇえ!それはご堪忍!!」

ダメダメいいことなにもないよ!二人揃って怒られるだけでってそれも悪くないなあ

ついついドア前まで駆け寄ってしまったが。

「いっ……まさかとは思ったが、てめぇ!うちのボスの私室でなにしてやがる!」

「ええええ!カマだったんですか!無視すればよかった!!」

ノブが触られた。ガチャガチャ。

「……嘘だろお」

「はあ」

この扉が外鍵であることを知っているのか、閉まっていることに大変な衝撃を受けているようだ。

「用があるなら出た方がいいですよね……どうしましょう」

「いや……頼む気が失せた。手合わせは次の機会だ」

「ああ、用ってなるほど。またの機会にぜひ」

「にしても、ボスの個室にも遊技場にもヴァニタの部屋にも執務室にも書斎にもいやがらねえからまさかと思ったが…なんで寝室に閉じ込められてんだあ……」

「そんなことよりこんな風に扉一枚隔てて会話するシチュエーション興奮しないかいハニー?」

「誰がハニーだストーカー野郎!」

「まあ出ようとすれば出れるんだけど。窓から」

「落ちるのか」

「壁伝う」

「ゴキブリかてめぇは」

「アッサシーノです」

「入隊させた覚えはねえぞ」

「そうでした」

アサクリの方なんだよなあ

「……ねえスゥィート。ヒマならこのままお話ししない?長くなりそうなことが聞きたくて。

 ってちょっと待っていかないで」

用済みとばかりにすたこら気配が遠ざかっていていく。

「ハニーーーーー!マイスィートおおおーー!!辛辣うううう!!!」


……反応なし。
むしろ急くように遠ざかってますねえ。

ああんイライラしながら遠ざかるさまを想像したらかわいい。
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