キヒヒ!!
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ぱっと顔を上げればスクアーロ。
「あれ?見ないうちにまた綺麗になった!?」
「んなことより血塗れじゃねえかぁ誰が掃除すんだ!」
「心配ご無用ウハハハ」
治癒しつつベルの上からよいしょと立ち上がる。
すっかり無くなった血痕。
手の甲をぷらぷら振るえば、ベルが唖然とした。
「うっそ、ナニソレ」
「なんでしょうねぇ」
「ほう、そう治るのか」
「フフ」
「なんだよっ」
ナイフがさらに一本飛んできた。
ゲット
「殺しても死なないならつまんねーじゃん」
「そうですかね」
「やめやめ。さーめたー!」
やっぱ殺す気だったんじゃないでっか。
「う゛ぉ゙おい、待て」
ナイフほったらかしで踵を返すベルに、スクアーロが何かを投げよこした。
「残りだ」
「んー」
何かっていうかハーフボンゴレリング(偽)ですね。
ベルは歩を止めず、振り返ることもなく、それをキャッチした。
足音に混じって、カチリとリングをはめ込む音が聞こえた。
「女もだ、ボスがお呼びだぜ」
「え?あーい。わかりました。部屋でいいですよね」
「ああ。とっとと行けぇ」
「はあい」
なんでしょう。
スクアーロと別れてボスの部屋へ向かう。
やってきました。
ノックして入室すると、良い椅子に腰掛けて、サイドテーブルから酒をあおるXANXUSの背。
その傍らには、グオングオンプシューと小気味良い稼動音を響かせるモスカが立っていた。
「来たか」
「来ました」
「鍵をかけろ」
言われるままガチャコン
「かけました」
「来い」
後ろ手に手招かれ、それに従う。
何が始まるんです?
彼の手が届く距離まで近づいたところで、顎を掴まれ、眼前まで引き寄せられた。
いだだだとれる顎とれちゃう。
痛みと驚きに目を瞑る。