キヒヒ!!!!
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「以前の君は、私の傍や研究室内で気を抜いたことなど一度たりともなかったのだがね」
「クッソ隙だらけに寝こけててすんません」
「どんな実験にも文句一つ言わず従順で…命じない限りは絶対に近付いて来たり声を出したりする事もなかったな」
「忍耐クソザコなくせに鬱陶しくてすんません」
「放っておいたところで欲や自由に溺れたりもせず、まるで存在していないかのように痕跡残さず日陰を生きていた」
「かわいこちゃんだいすき勝手マンですんません」
「…君は本当に別人だな」
「はい」
はい。
どうもこちらヴェルデの研究室からお送りしております。
未来から帰ってきたらもうここに居てまして。
ヴィンディチェは並盛に向かっていることだろうし、ひとまず動かなければ動向も掴めまいと。
しばらくは大丈夫かなって。
ほんでヴェルデを待ってる間いつの間にかグースカしてまして。
たたき起こされるなり呆れた溜息をいただいたのが今というわけです。
「愚かで、浅はかで、自制心もない。戦闘センスも皆無だ。
劣化と言うほかあるまい」
「事実の羅列痛いっすご主人様」
ほんでお説教と言うか、貶められてるというか。
なんでしょう。
目覚めればいいんでしょうか。
構ってくれるの嬉しいっす。
「……それで?」
「へ? あっ、今度こそ大人しくしたいです…」
「期待しよう。
それで、私を引き止めるほどの話があったのではなかったのか?」
「あっ」
お話聞いてくれるって意味だったの!?
だったら話したいこと沢山よ!!
「お慈悲とお時間有難うございますッ!」
思わず額を地面に打ち付けて頭を下げた。
何を隠そう元々会話が終わったらこうして頭こすりつけてお話聞いてもらうつもりだったのだ。
とりあえず、
「頭打って、直前に見た人のことを好きになっちゃった人が居るんですけど、それを治す薬や方法ってありませんか」
「それは、好意のみを消したいという事か?」
「はい」